サカサマのパテマに見る新たなクラウドファンディングの活用方法

2014年07月02日
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patema
海外で多くの人が利用し、日本でも成功事例が産まれ、徐々に認知されてきているクラウドファンディング。
多くのプロジェクトが資金が集まりにくい作品を世に出すという目標を達成するために、魅力的なリターンを提供しています。
そんな中で、今回は昨年上映された長編アニメ映画「サカサマのパテマ」の英国版の豪華版Blu‐ray/DVDリリースプロジェクトがクラウドファンディングの新しい活用の仕方をしていたので紹介いたします。

サカサマのパテマとは

2013年冬に日本で公開された吉浦康裕監督によるアニメーション映画です。
この作品は第17回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞を始め、スコットランド ラブアニメ映画祭2013観客賞及び審査員賞を受賞。また、第7回アジア太平洋映画賞の長編アニメーション部門にもノミネートされ、高い評価を受けました。
2014年5月にKickstarterにて、英国向けに豪華版Blu‐ray/DVDリリースをするというプロジェクトを立ち上げ、なんと開始5時間ほどで達成しました。

今までのクラウドファンディングとは違う活用法

多くのプロジェクトは斬新なアイディアや新しいガジェットなどに対して、お金を出すというのが大きな目的でした。
「サカサマのパテマ」は既に上映もされていて多大な評価を受けており状況が違います。
ではどんなことが目的なのでしょうか。
プロジェクトを見ていくと3つの目的が考えられます。
  • 豪華なリターンをコアなファンに安く、早く、確実に届けることができる
  • 販売者は事前に豪華版を買ってくれる人を把握し、在庫リスクを下げることができる
  • 長期的に海賊版による利益損失を補うことができる

豪華なリターンをファンに安く、早く、確実に届けることができる

日本だと流通がしっかりしており実感がわきにくいかもしれませんが、海外では販売店にアニメ作品はあまり置かれません。
好きな作品で限定版、豪華版が出たとしても、購入することが難しいのが現状です。
また販売店で提供された場合も一般流通にのせているためコストがかかり、作品の値段が高額になってしまいます。
そこでクラウドファンディングを利用することで、目標を達成すれば作品を確実に購入できます。
そして一般流通にのせないため安く購入することも可能になります。
更に販売前に購入するので、限定版、豪華版の在庫切れの心配もありません。

販売者は事前に豪華版を買ってくれる人を把握し、在庫リスクを下げることができる

販売者は日本にある多くのアニメ作品の中で、
どの作品が自国でどれくらい売れるのかが把握しにくい状況にあります。
海外で全ての作品がテレビ放送されているわけでなく、
多くがネットで不正に視聴していたり、海賊版でみています。
そんな中で、誠実に版権を得て販売する際に、とてもリスクを負います。
クラウドファンディングを利用することで、そもそもその作品自体が自国で受け入れられるのかという判断ができます。
また、コアなファンがどれくらいいるのかということが把握できることで在庫リスクを大幅に下げることができます。

海賊版による利益損失を補うことができる

今日本でもDVD、BDでの売り上げが落ちています。
また先程も記載しましたが、現状多くの海外の人が不正に視聴している現状があります。
おそらく撲滅は難しいでしょうし、版権を得てネットで月額配信する事業も今後増えていくことでしょう。
そうなれば、一映像作品としての収入源はどんどん減っていきます。

 

クラウドファンディングによるマーケティング、販売により、流通コスト、在庫リスクを大幅に改善し、豪華版というコアなファンが喜ぶものを提供することで安定した収入源に生まれ変わり、
不正配信というところでのリスクを限定版、豪華版を購入してもらうきっかけにすらなるかもしれません。

まとめ

「サカサマのパテマ」の英国版の豪華版Blu‐ray/DVDリリースプロジェクトの事例を紹介いたしました。
既存のクラウドファンディングと同じようにアニメーションで新しい作品を制作することは、大きなお金が必要で直ぐにチャレンジするのは大変なことです。
そうではなく、今回のように既存の課題をクリアするためにクラウドファンディングを活用するということも、大きな成功の鍵になるかもしれません。

 

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