キックスターターの不成立事例から学ぶ成功するプロジェクトの運用方法

2014年01月16日
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20140116

クラウドファンディングは大きな野心を抱いた小さな企業を活性化させるために素晴らしい手法です。プロジェクトオーナーが目指した目標を大きく超えて資金の調達に成功した人も多くいます。しかし、KickstarterやIndiegogoのようなプラットフォームには目標に達することが出来なかった人も多くいるのが事実です。そう、私たちのように

2年間のリサーチと開発を得て、私は共同創業者でありながら友人でもあるHeidiと共にファッションスタートアップとして業界に飛び込む決意を固めました。そして「LÆNE SCANDINAVIA」を立ち上げたのです。

自分達のエコテックレーベルをKickstarterに掲載し、初期プロダクトの開発費を調達することが計画でした。この計画の軸となったのが「FLUX SEAMLESS」という商品アイデアでした。ファッショナブルで高性能な耐久性の高い衣服を、Kickstarterのコミュニティーに定価の50%OFFで提供するというキャンペーンを展開しました。いくつかのラインナップ(タンクトップ、Tシャツ、レギンス)をリワードとして揃えていました。

プロジェクト掲載の初日、これまで非公開で計画を練って来た商品が突然一般の目にさらされ、何だか現実離れした経験だったことを覚えています。その1ヶ月後、私たちのプロジェクトは目標金額に達することは出来ませんでした。しかしそこでクラウドファンディング、ブランド戦略、そしてソーシャルメディアの本質を知ることが出来ました。

正しいタイミングでアーリーアダプターが現れるようにする

私たちの場合、アーリーアダプターにプロジェクトページを見つけてもらうのが遅すぎました。Kickstarterの仕組みを勝手に理解してもらえると考え、友人や家族にクラウドファンディングを使うことのメリットばかり伝えていました。結果として支払いの仕組みがどうなるのかを伝えきることが出来ませんでした。

記者からの情報拡散を期待しない

プロジェクトが掲載されれば、様々な記者が私たちの商品のコンセプトやプロジェクトに興味を持ってくれると思っていました。しかし早い段階で、多くの記者がクラウドファンディングを懐疑的だと思っていることを学びました。

大手メディアの記者ではなく、コンセプトに共感してくれるブロガーやあなたの業界内でキーマンとなるインフルエンサーに拡散をお願いしましょう。

批判する人の声を聞く

強い批判の声を聞くのは辛いことです。しかしそれらから現実が見えることもあります。キャンペーンの最初の頃、私たちの衣服の値段設定に対して強い怒りを表す方からメールを頂きました。

最初は無視していたのですが、その後すぐに設定していた商品の値段がKickstarterのプロジェクトとして高すぎることに気づいたのです。それから値段を下げてみたところ、支援者の数が増えました。

たかが2分、されど2分の映像

プロジェクトの立上げにあたり、私とHeidiは近い友人と家族で街中を撮影して説明動画の素材を確保しました。編集もおこない、音楽を選び、ブログをデザインし、撮影のためのモデルも選びました。

とても刺激的でありながら、精神的にストレスのかかる作業でした。皆が私たちの活動を信じてくれていて、活動を実現するために時間を割いてくれました。しかし結果としてこれらの制作に時間を費やし過ぎたため、プロジェクトを成功するために必要な他の施策(ソーシャルメディア対策など)のために時間を取ることが出来なくなってしまいました。

シンプルにする

私たちの衣服は高性能で、耐久性が高く、技術力のあることの組み合わせがコンセプトでした。それぞれの特徴が異なるコミュニティーから人々を呼び寄せると考えていましたが、逆にターゲットを絞り込むことが出来ず、ニッチな購入者層にアプローチすることが出来ませんでした。クラウドファンディングの企画はシンプルなアイデアのほうが、人々の心を掴みやすいことを学びました。

ソーシャルメディアの繋がり

Kickstarterのプロジェクトを掲載するまで、TwitterやFacebookなどはほとんど使っていませんでした。あとになって思えば、プロジェクト掲載の数ヶ月前からコミュニティー作りのために活用しておくべきでした。本格的に使うようになってから、ソーシャルメディア上で会社と商品のコンセプトに共感してくれた方々と繋がれる喜びを知りました。

ファッション好きな人、スポーツ好きな人、エコへの意識が高い人、有名人、など多くの人と繋がりを持つことが出来ました。そして私たちは自分達のブランドやプロジェクトのことを伝えることよりも、面白いなことや自分が興味のあることを共有するほうがフォロワーが増えることを発見しました。

結論として、私たちにはソーシャル上の資産が足りていませんでした。それまでに積み上げてきたコミュニティーの大きさや、自分の所属するコミュニティーへのコミット力がクラウドファンディングの成功への重要な鍵を握っています。

Kickstarterのプロジェクトは不成立に終わりましたが、この経験を通じて私たちは本当に多くのことを学ぶことが出来ました。素晴らしい商品のあるデザイナーだけではいけないのです。クラウドファンディングは私たちの起業家としてのスキルを大きく向上させてくれました。

人生において無駄なことは何もありません。継続して挑戦することで過去の仕事にも再度価値を見いだすことも出来ます。例えば時間をかけ過ぎてしまった映像。使用した映像をさらに短く編集し、今ではWebサイトで紹介映像として活躍しています!最後にそれらの映像を紹介します。

【原文:Learn from an unsuccessful Kickstarter campaign】

※実際に成功したプロジェクトの事例を知りたい方はクラウドファンディングの成功事例で紹介していますので、参考にいかがでしょうか。
※本記事は、CrowdCruxより承諾を得た上で翻訳・編集をしています。

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Hiroaki Taira

Hiroaki Taira

代表取締役グーパ株式会社
1985年生まれ。小学校から高校卒業までシリコンバレーに在住。東京工芸大学にてアニメーションを専攻し、在学中に米国カーネギーメロン大学へ留学。留学中に出会ったタイの友人と2011年9月に起業。現在東京とバンコクの2拠点でゲーム特化型クラウドファンディングサービス『Crowdrive(クラウドライブ)』を運営中。
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