達成率1600%!?クールジャパンを海外に発信する「Akiba Anime Art Magazine」の創刊プロジェクト

2014年06月27日
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ジョンハサウェイ

クールジャパンといわれ、海外で日本のカルチャーが注目されつつありますが、まだまだ成功している事例は少ないのが現状です。
勿論、言語という壁もありますし、日本と海外ではマーケティング手法なども違ってくるというのもあります。

日本発で海外に日本のポップカルチャーを拡める方法として様々な手法がありますが、その中でも近年注目されているのはクラウドファンディングです。
北米最大を誇るKickstarterでは、数々の日本発のアニメ・マンガ・ゲームのプロジェクトが立ち上がり立て続けに大成功しています。

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今回は、Kickstarterをきっかけに、秋葉原から世界へ日本のポップカルチャーを発信していくアートマガジン「Akiba Anime Art Magazine」の事例を例に、成功の秘訣を探ります。

Akiba Anime Art Magazine vol.00 – Otaku pop culture scenes by JH Lab — Kickstarter

「Akiba Anime Art Magazine」とは

「Akiba Anime Art Magazine」は、日本のアニメなどを世界へ発信する雑誌で、JHラボという日本のベンチャー企業が立ち上げたプロジェクトです。
Akiba Anime Art Magazineは、日本人のイラストレーターとして海外でも注目をされているJohn Hathwayさんを中心に、初音ミクのキャラクター原案を手がけたKEIさんや、ワダアルコさん、フジちょこさん、HIME+YOUさんなど、アニメやマンガ、コスプレで活躍しているアーティストが数多く参加しています。

参加クリエイター一覧

2013年8月にKickstarterにてプロジェクトを立ちあげ、必要額を4500ドルに設定していました。
しかし、公開から48時間足らずで目標金額を達成。同年10月13日のプロジェクト終了時には、なんと約1500人から、目標金額の16倍にあたる74000ドルが集まり、大成功を収めました。

ファンにはたまらない魅力的なリターンの数々

支援へのリターンが、非常に魅力的なものである点でも、本プロジェクトの成功の要因として挙がるでしょう。
また、雑誌という特性上、目標金額も他のプロジェクトより安いため、リターンの金額も比較的少額出資が多くなっています。

リターンは下記の通りです。

$1:ご寄付という形です。
$5:PDFデータのAKIBA ANIME ART MAGAZINE電子書籍です。
$15:期間限定の早期割引によるAKIBA ANIME ART MAGAZINE本になります。
$18:AKIBA ANIME ART MAGAZINE本のみです。
$26:期間限定の早期割引によるAAAMagazine本 + 3D画集 + 3Dメガネ
$30:AKIBA ANIME ART MAGAZINE本 + アーティストによる3D立体画集 + 3Dメガネ
$55:AAAMagazine本 + 3D画集 + 3Dメガネをそれぞれ2個ずつ
$125:AAAMagazine本 + 3D画集 + 3Dメガネ + JohnHathway同人誌2種類
$130:AAAMagazine本 + 3D画集 + 3Dメガネ+ポストカード6種 + Tシャツ + タンブラー + マウスパッド + トートバッグ + 折ポスター8種類 + iPhone5ケース
$350:上記の全セットと同様ですが、折ポスターに全メンバーのサインが入ります
$600:JohnHathwayによる購入者の写真を元に魔法町キャラクターにカラーラフで描きおこします。
$1000:JohnHathwayの絵の中にあなたの写真を元にしたキャラクターが登場します。その絵はマガジン&ポスターに掲載されます。キャラクターは遠い距離に小さく登場します。
$1300:JohnHathwayの絵の中にあなたの名前や広告などを看板として入れます。その絵はマガジン&ポスターに掲載されます。
$2000:JohnHathwayの絵の中にあなたの写真を元にしたキャラクターが登場します。その絵はマガジン&ポスターに掲載されます。キャラクターは比較的近い距離に大きめに登場します。
$5000 JohnHathwayの絵の中にあなたの写真を元にしたキャラクターが登場します。その絵はマガジン&ポスターに掲載されます。キャラクターは比較的近い距離に大きめに登場します。さらに美術作品として限定数1のジークレー版画のキャンバスパネル(600mm x 956mm程度)がつきます。こちらは販売用としては唯一のエディションになります。

早期割引では15ドルでAKIBA ANIME ART MAGAZINEが手に入るという手の出しやすい金額です。
それ以上のリターンも、細かく段階を踏んで設定されており、ファンのニーズに事細かに応えようという意思が伝わってきます。

プロジェクトの成功要因はなにか

プロジェクト成功の一番の要因として有名なアーティストを揃えているというのも前提にありますが、それ以外に下記の3つが挙げられるでしょう。

  • ファンが支援しやすいリターンが豊富に設定されている
  • アドオンやストレッジゴールの設定によるアップセルが上手い
  • ストーリーやアップデート(近況報告)などの魅せ方が上手い

ファンが支援しやすいリターンが豊富に設定されている

上記でも述べた通り、本プロジェクトはそもそもの目標金額がほかのプロジェクトに比べそこまで高くないことから、リターンも比較的支援しやすい金額となっています。
しかし、それでも、達成率1600%というのは並大抵のことではありません。

本プロジェクトのリターンは、ファンが支援しやすい金額が細かく設定され、かつそれらがファンにとって非常に魅力的なもの(本当にほしいと思うもの)の数々であるというのが、支援を加速させたのでしょう。

アドオンやストレッチゴールの設定によるアップセルが上手い

本プロジェクトはリターンが豊富に用意されているだけでなく、アドオン(少しの金額をプラスすることで貰えるおまけ)やストレッチゴール(目標金額より高い金額を達成した場合の追加要素)も魅力の一つです。
なぜなら、ポストカードやTシャツ、タンブラーなど、オタク心をそそるグッズが少しの金額プラスすれば手に入るのです。(ストレッチゴールについては「クラウドファンディングにおける「ストレッチゴール」の基礎知識と運用のコツ」を参照)
ストレッチゴールも、プロジェクト開始2日で目標金額を達成したことで、「これならいけるんじゃないか」とファンが思い始めるため、その後も順調に支援額を伸ばしていきました。

ストーリーやアップデート(近況報告)などの魅せ方が上手い

プロジェクトページを見てすぐに感じた方もいるかと思いますが、たくさんの画像やイラストが使用され、ストーリーが構成されています。
有名アーティストが参加している雑誌というのもあって、そのハイクオリティなイラストの数々を見せることが最もファンの目を惹きつけます。

そして、全てのリターンが画像と共に紹介されており、なんとアドオンやストレッジゴールにおいても画像が用意されているので、リターンとして受け取るもののイメージがつきやすいというのも上手いです。
また、アップデート(近況報告)の更新頻度も高く、ファン目線で書かれています。

まとめ

以上、「Akiba Anime Art Magazine」創刊プロジェクトの事例をご紹介しました。
ファンのことをしっかりと理解し、ニーズに応え、そしてファンに期待を持たせることで支援を促したことが、本プロジェクトの成功につながったのでしょう。

プロジェクトのターゲットは誰なのか、そのターゲットが魅力に思うポイントやニーズは何なのかといったことをしっかりと分析し戦略的にプロジェクトを進行させていくことが大切です。

Akiba Anime Art Magazine vol.00 – Otaku pop culture scenes by JH Lab — Kickstarter

[画像出典:■JH科学 MOTS.JP■]

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Kazuyuki Hozumi

Kazuyuki Hozumi

Webディレクター / 編集
1989年生まれ。兵庫県出身。インターネットメディアの運営などをしています。アニメが好きです。
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